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最も大切なことは

試験が始まったらまずしなければいけないことは何でしょうか?それは「問題文を読んで理解する」ということです。そんな当たり前のことは言われなくてもわかっていると思うかもしれません。

では、次のような例を見てみましょう。

「私とテレビ」というテーマで800字以内で論じなさい。

私はテレビを主に情報源として活用している。速報性に強いテレビは最初の情報源として重要である。テレビは現在生活において欠かせないツールである。いながらにして世界中でどんなことが起きているか、ほぼ即時に知ることができる。パリの同時多発テロは世界中の人がテレビでその成り行きを見守った。また、テレビは人工衛星からの映像も映し出すし、肉眼では決してみることのできない微生物の世界も映し出してくれる。テレビは、100年前の人たちには想像もできなかった世界を私たちに見せてくれる。
 しかしテレビには気をつけなければいけない点がある。画面で切り取られた世界は真実の一部分でしかないという点である。テレビの紀行番組で、ある観光地の花畑が紹介され、その美しさに感動した視聴者が実際に花畑を訪れたところ、花畑のあちこちにゴミが投げ捨てられていて、がっかりしたという話を聞いたことがある。私達は画面に映っていない背景の部分まではテレビを通してみる事ができない。画面にごみが映っていなかったからと言って、その現場にごみがないということではない。ごみが映らないように撮影したというだけだ。画面に映されているのはあくまで撮影者が切り取った世界であるということを忘れてはならない。これは紀行番組だけでなく、ニュースについてもいえることであろう。原発反対のデモを大きく取り上げ局もあればほとんど取り上げない局もある。ニュースで取り上げられなかったからといってデモがなかったというわけではない。どのニュースを扱うかは制作者の判断で行われることであり、その判断のフィルターをかけられたニュースを視聴者は見ていることになる。
 近年メディアリテラシーという言葉をよく聞くようになった。メディアを利用する側も受け身ではなく、メディアの裏側を見抜く力が必要だとされる。テレビを見る側が、こうしたテレビのもつ本質的な恣意性に気づいた上で正しく利用する事が求められる。


この答案は何が問題か?

この答案は確かにテレビについての課題点を理論整然と述べているのですが、あまり高い評価にはなりません。出題は、「私とテレビ」をテーマに論じることを求めています。この答案は「テレビ一般論」そのものであり、「私」とテレビが普段どうかかわっているか、「私」にとってテレビがどんな存在であるかなど、私とテレビの関係性がほとんど見えてきません。ほぼ全文にわたって第三者的視点から書かれています。わずかに「私は情報源として活用している」という最初の一文が、私のとかかわりについて触れた部分です。出題者は「私とテレビ」という題を与えたわけですから、単なるテレビ一般論を書いても、聞かれたことに答えたことになりません。
 どうすればこの答案は良くなるでしょうか。全面的にかき直すのも一つの手ですが、この答案の場合、最後の段落を次のように変えてみてはどうでしょう。

 
 私はこのようなテレビの特性をよく理解した上でこれからも大いにテレビを利用していきたい。テレビの映像が一面的だといってもその利用価値がなくなるわけではない。私はテレビのニュースや映像をきっかけにして自分が興味を持ったことは、本で調べたり、他の人の意見を聞いたり、自分で実際に体験したりということを通して、何が本当なのかということを見極めていきたい。そのツールとしてテレビは大いに活用できる。これが私にとってテレビの一番良い利用法だと考えている。

 

 まだ改良の余地はあるものの、最後の段落をこのように変えることで、私とテレビの関係性がかなり前に出てきました。
 このような短い問題文一つをとっても、「問題文を正確に読む」ということがいかに大切であるかということがわかると思います。


講座1・まずやるべきこと

講座2・バランスを考える

講座3・具体的に書く

講座4・課題文の扱い方

講座5・普段の勉強法