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バランスを考える

今回は次のような問題とその解答を考えてみましょう。

問題
近年、さまざまな不祥事等によって公務員に対する市民の目は厳しさを増しています。あなたは公務員として仕事をする上で一番大切なことは何だと考えますか、またそれを踏まえてどのような姿勢で仕事にあたりたいと考えますか、意見を述べなさい。

 

 
 ここ数年公務員が検挙されたり逮捕されたりする事案を頻繁に見聞きする。例えば、会計上の不正や、飲酒運転、セクハラなどによる逮捕、免職といった事例である。また事件にならなくとも窓口での不適切な対応や単純ミスなどに対して市民は大変敏感になっている。先日も○○市で、一人の職員の窓口での対応の悪さがツイッターでつぶやかれると、次々にツイートが広がり市長が謝罪する事態にまで発展した。このように、市民は公務員の仕事に対して非常に厳しい目をもって見ているのである。そのことを踏まえ公務員として仕事をする上で何が最も大切なことか論じていきたい。
 私は「信頼」であると考える。その理由は、第一に市民から税金を預かっているからである。税金は道路などの建設や、町の美化、教育・福祉など市民生活に欠かせない物事の費用をまかなっている。税金は、不正なことや無駄なことに使われることなく、適正に使われるという信頼と共に市民から託されたたお金である。もちろん公務員の人件費も税金であり「市のために真面目に働いてもらえる」という信頼から払ってもらったものである。こうした市民からの信頼に誠実に応えるのが公務員の責務である。
 さらに公務員は多くの個人情報を預かっていることも注意しなければならない。住民票、戸籍などの取り扱い、国民健康保険や国民年金などの事務手続き、婚姻届や離婚届の受理など、非常にプライバシー性の高い情報を扱うことになる。これらの情報も市民から信頼とともに預けられたものであり、それに応える責務がある。
 このように公務員の仕事は市民からの信頼なくしては成り立たない。私はこの点を十分に自覚し、日々の仕事を誠実にこなしていきたい。また様々な個人情報やデータは細心の注意を払って取り扱いたい。市民の信頼に応えられるような職員となる覚悟である。 



 この答案は書いてある内容そのものは悪くはありません。しかしながら全体のバランスが悪いのです。ここで、問題文で聞かれていることをもう一度整理してみましょう。聞かれていることは「公務員として仕事をする上で一番大切なことは何か」「どのような姿勢で仕事に当たりたいか」という二点です。ですからこの二つをメインにして書かなければなりません。第一段落に書かれていることは、この二つの本題に入るための「前置き」です。聞かれていることに答えているのは、第二段落からです。ところがこの前置きの部分に全体の3分の1の字数を使ってしまっています。近年の公務員の不祥事の問題を、具体例を挙げながら書いており、内容そのものは悪くないのですが、採点者としては「いつになったら本題が始まるの?」という気分になってくるわけです。前置きが長くなった分、二つ目の本題である「どのような姿勢で仕事に当たりたいか」については最後の3行で簡単に触れられただけになっています。

 この答案の場合、第一段落は完全になくして、「公務員として一番大切なこと、それは『信頼』であると考える」というところから始めてよいのです。第一段落の要素を冒頭に残すにしても2−3行程度におさえて、早く本題に入るべきです。その分最後の段落は字数をとって述べると良いでしょう。

 このような答案の欠点は自分で書いて読み直しただけでは気づきにくいものです。そこで「第三者に見てもらう」ということが大事になるわけです



講座1・まずやるべきこと

講座2・バランスを考える

講座3・具体的に書く

講座4・課題文の扱い方

講座5・普段の勉強法